マニラ麻の知識
名称 マニラ麻(manila hemp)【葉脈繊維/硬質繊維】
わが国の芭蕉、および熱帯地方に産するバナナの木と類似の植物で、アバカ(abaca)またはダバオ麻ともいい、ばしょう(芭蕉、musa textilis)科に属する宿根草本の葉柄(leafstalk)から得る繊維で、フィリピン、エクアドルが主産地であるが、かってはポルネオ・ジャワなどにも産した。フィリピンの戦前最高生産量は20万t/年であったが、現在では6万トンほどに減少している。
幹は草本植物の最も高いものの一つで3-4mに達し、葉茎からなる幹の太さは30cm前後であり、果実はバナナのように食用にはならない。何本かの葉柄が重なり合って幹の形をしている。
栽培 種や分根によって植付け、1.5-2年前後で最初の収穫、次に6-8か月おきに1本の幹から10-30葉茎を得る。収穫は開花の頃で根元から刈取り、その後にまた自然に芽が出て成長する。
下の左の写真は成熟したマニラ麻、右の写真は種。
 
原麻採取 刈取った茎から葉を除き、手挽き機械または動力機械にて表皮及び肉質部をかきおとし、分離された繊維を天日乾燥して、125kgにベーリングする。
性質 短繊維の長さは3-12mm、平均6mmくらいである、断面は丸みを帯びた多角形で孔がある。また耐海水性や強度が大きく、化合繊が発達するまではロープ、、網などの材料として使用されていた。また繊維長が長く、強度が大きいので、和紙、紙幣、電掃袋 、札帯、コンデンサー紙の原料としても用いられている。 ロープ、網などに適する。
品質基準 繊維(ABACA FIBER)の等級

AD 光沢のある純白の繊維であるが、現在は皆無に等しい
EF 柔軟純粋繊維真中部分:淡い象牙色
I   芯に近い部分の繊維:淡黄色
S2 真中及び外側の次の部分:淡黄土色から淡紫色
G   真中及び外側の次の部分:鈍暗白色。結束発生し安い
S3 外側の部分:暗赤色ないし紫色。ロープ用
JK 外側の次の部分:淡褐色、淡緑色。パルプ用
H   外側の部分:黒色に近い茶褐色。ロープ用
M1 外側の部分:暗褐色から黒色。ロープ用
Y   ダメージ麻
WS 麻の粗い部分を集めたもの。フィリピン国内でタバコ巻紙用
O   縛り紐
T   不良先端切り麻
繊維抽出 フィリピンにおけるマニラ麻繊維の抽出工程

トクシー(剥皮作業)

剥いだ皮より繊維を抽出する

ストリッピング。ナイフで挟み、引っ張りながら繊維を抽出する

ナイフの歯数によって繊維のグレードが決定される

抽出した繊維を乾燥させ、地域毎の集荷工場へ運ぶ

集荷工場に運び込まれた繊維を再度天日乾燥させる

乾燥した繊維を手作業でグレード別に仕分け、同時に悪い部分を除去する

仕分けられた繊維をブラッシングマシンで揃える

ベーリングマシン

束ねられた繊維をプレスして梱包形態にする

ベーリング後にマニラ麻ロープで縛り、出荷状態となる